「海上保安庁が中国漁船に魚雷を発射」という誤訳記事

2012/08/16ネットの噂, メディア

海上保安庁、中国漁船に魚雷発射: The Voice of Russia」という記事が例によって にちゃんねる経由で世間を賑わせてるようだけど、何回 ロシアの声に騙されたら学習するんだろうか?
(にちゃんねるとか まとめサイトはアクセス稼ぎのためであれば、タイトル改竄もするし、信頼性のない記事も掲載するんで言うだけ無駄か…)

追記:8月16日にタイトルの誤訳は訂正された模様です。

記事内に“インターファクス”とあるので、該当記事を探してみた。

インターファックス通信のロシア語サイトでは見つからなかったが、別のロシア語ニュースサイトに該当しそうな記事があった。“ВЗГЛЯД / Береговая охрана Японии обстреляла из водяной пушки китайское судно” が元になったインターファックスの記事のようだ。

タイトルをgoogle翻訳すると「日本の海上保安庁は、中国船から水大砲を発射した」になる。「中国船から」って翻訳になる google翻訳 は やっぱり変だ。(google翻訳のおかしさについては、直前のエントリ「google翻訳の挙動が理解できない…」 を参照してください)。

変だけど、問題の語句はわかった。“водяной пушки”らしい。“водяной пушки”だけを翻訳すると「放水銃」。念のため英語に訳すと“water cannon”。なんでこれが記事タイトルだと「水大砲」と訳されるのかは謎である。さすがgoogle翻訳。

巡視船から放水したってのは、「尖閣上陸の香港団体5人を逮捕 NHKニュース」にも「海保は接舷や放水で対応」と載っています。この情報がロシア語で報道され、日本語に再翻訳されたときに誤訳されたと考えて良いと思います。さすがにgoogle翻訳した結果を使ったのではないと思いますが(^_^; 記事のリード文を読むと、「放水銃」の前の単語が「発射」のようなので、軍関係に詳しくない翻訳者が間違えたのかな?

念のためводяной пушкиをgoogle画像検索してみましたが、水撒いてる写真しかでてきません。

そもそも 「海上保安庁の装備品一覧」(Wikipedia)にも魚雷なんかないし、軍事に詳しいと思われる人のtweetでもそう指摘されている。

この記事もそうだけど、海外ニュースを日本語訳しているサイトは、その当事国の情報でない限りは信用しない方が良いです。その国の信頼できるメディアや、ちゃんとした外信記事から得られた情報を複数組み合わせるのが大事です。今回は日本で起こった事件なのですから、日本の新聞やTV、当事者である海上保安庁の情報を参考にするのが正解です。

また、日本の記事でも地方記事であれば、その県の地方紙や地元TVや役所等の情報の方が詳しい場合も多いです。速報性は全国紙の方が上の場合もありますが、検証したい場合は地方紙も参照するのが吉。


外信由来の記事検証リンク:


追記:記事中には「日本海にうかぶこの島々」という記述もありますね。まあ、その程度の信頼性ということで。

さらに追記:誤訳が訂正されていますね。タイトル、記事リード共に「放水」になっています。「日本海にうかぶこの島々」はそのままです。(8/16 17:20)

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