「虚構機関」 – 久しぶりにSFを読みまくる
今でこそSFはマイナージャンルというか、拡散して目立たなくなってしまったけど、いまから30年ほど前まではかなり活発な分野だった。鶴書房のSFベストセラーズあたりが小学生の入門書で、あとはNHKの少年ドラマシリーズ。タイムトラベラーを見た記憶がかすかにある。
秋元文庫も面白かったなあ。歳がばれるか。
中・高校生のころは暇があったので、長編も苦にならなかったんだけど、最近は長編は読むのに時間がかかって結構つらい。なので短編集の方が好き。で、メインプレイスの球陽堂で見つけたのが本書「虚構機関」。2007年の日本SFのベスト集。16作が収録されている。
(余談だが、目的意識なくふらふらと本を見つけるには、ジュンクは大きすぎる気がする)
16作のなかのイチオシは、円城塔の「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」。エピステーメー叢書のパラドクスの匣や、ボルヘスの伝奇集、ダグラス・R. ホフスタッターのゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環のような面白さ、と言えば、面白さの一端は伝わるだろうか? (無理か)。
堀晃の新作が入ってるのも、ファンとしてはうれしいかぎり。
あまりに面白いんで、2008,2009年版のベストである超弦領域と量子回廊も買っちゃいました。SF漬けになるのも久しぶりだ。
リンク:SFベストセラーズ
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