沖縄県自治体のワクチン接種率をグラフ化してみた

感染症

前回エントリ(pdf2txt.py 便利すぎる(PDF表をテキスト化) | ず@沖縄)の続き。

前回は県のWebにある接種率のPDFからデータをCSVで抜き出しました。今回はそれをグラフ化し、若干の考察を加えてみます。

2021年7月13日データから

沖縄県のワクチン接種進捗状況/沖縄県に掲載されていたPDFのうち、私の手元にあるもっとも古いデータは2021年7月13日のものです。archive.orgを掘ってみましたが、これ以前のものは見つかりませんでした。どなたかお持ちであれば分けていただけると助かります。

その7月13日のデータにある自治体別の全人口・高齢者人口から高齢者比率を計算し、同じくワクチン接種率(1回目)と比較したのが下のグラフです。




このグラフは2つの部分に分かれています。接種率の高い方(上側)に小規模離島が並んでいます。そして、下には高齢化率に比例する形で、他の自治体が並びます。日本全国の平均も下のグループに含まれています。





これは厚生労働省と沖縄県のワクチン配分の戦略が現れたものでしょう。

厚労省は、ワクチン配給の優先順位を医療従事者→高齢者→基礎疾患保有者の順としました。そして高齢者分については、各県の高齢者人口に応じてワクチンを配給しました(第8クール、6月後半まで)。

沖縄県では医療体制が脆弱な離島を守るために、離島を優先してワクチンを配分しました。自治体接種に使われるファイザー製ワクチンは1箱1170回分ですので、人口の少ない自治体では最初の数箱で需要が賄えたものと思われます。実際、7月13日時点で渡嘉敷村は高齢者1回目接種率98.09%、2回目92.99%になっています。

この2つの配給方針(高齢者と離島優先)により、グラフが2つの部分に分かれているのでしょう。戦略通りに接種が進んだと評価すべきだと思います。

2021年9月1日データから

9月1日になると、接種率が上がって全体が上に移動しています。高齢化率と接種率の関係は沖縄本島ではまだ残っていて、若年者の多い都市部の接種率は低く見えますが、そもそもワクチンが充分に配給されていないのでこれは仕方ありません。若年者が多いところ(接種率の低いところ)については、第13クール(8月末)から配給が増える見込みですので、これは今後解消されるものと思われます。


アニメーションGIFにしてみました

全体の傾向の変化がわかるようにアニメーション化してみました。突然接種率が跳ね上がる自治体は何があったのでしょうか。このあたりも調べてみると面白いかもしれません。
(8月31日に人口データに変化があったようで、グラフ全体が右に移動しています。社会の高齢化が現れています)。



リンク

グラフ化に使ったデータを置いておきます。

感染症

Posted by ず@沖縄