料亭・小料理・旅館の英訳で悩む
栄町大綱引きの写真 (1951年?)からの余話。
戦後の沖縄の繁華街の写真には料亭や小料理や旅館が出てくる。これが何を指しているのかは、沖縄のある程度の年齢の方なら知っていると思う。
さて、これを知らない人に説明したいときはどうすれば良いだろうか。英訳しようとして悩んでしまった。
料亭
料亭は辞書※1によると “a first-class Japanese restaurant” や “a Japanese-style restaurant”。
グダグダ(β)さんの記事では戦前から大和風料亭があったと書かれています。これなら “a Japanese-style restaurant” でも良さそう。
資料で確認できる戦前の那覇の料亭です。
(中略)
辻も接待や地元での会食で使われていたのは確かです。ですが奥座敷に通され、沖縄民謡・舞踊を聴きつつ歓談するというスタイルと大和風では違いがあり、大和風の接待場所が必要であった、もしくは辻に馴染めない人間のための高級な遊び場所として必要であったというのが大和風料亭(以下料亭と略します)の出現理由だと思われます。
辻に馴染めない理由はいろいろ考えられますが大和料理が出ないであろうこと等を考えると財力的理由からも顧客は寄留商人、それに内地の風習に馴染み始めた地元富裕層なのは間違いないでしょう。
那覇 ― 戦後の都市復興と歓楽街には以下のように書かれています。
したがって、当時の東京では、たとえ「料亭」という看板を掲げていても、それはもともと「待合」なのだから、自前の料理人もいなければ板場もない、というのが当たり前で、料理といえば、仕出しに頼るのが実情であった。
(中略)
占領軍の圧力によって名称の変更を余儀なくされて誕生した「料亭」が、当時の琉球政府の「風俗営業法」ならびに取締規則に援用されて、今度は沖縄の遊興文化の一翼を担うことになったのだ。那覇 ― 戦後の都市復興と歓楽街P.63より引用
「待合」は “a geisha restaurant” らしいのですが※3、それも違うようなあっているような。
- ※1 料亭の英語・英訳 – goo辞書 英和和英
- ※2 那覇 ― 戦後の都市復興と歓楽街(加藤政洋著、フォレスト、2011/11/30初版)
- ※3 待合で始まる言葉 – goo辞書 英和和英
料亭松の下は Teahouse Auguest Moon Restaurant ですね。
食堂・御食事処・御料理・小料理屋
これ全部 restaurant と訳していいのかどうか。食堂と御食事処は大丈夫かなあ。小料理屋は微妙に違う気がする。待合食堂というのもあったらしいけど、行ったことがないのでどんなところか分からない……
コザのレストラン・カフェとも全然違うし。
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