いまさらベーシックマスターの開発環境を作ってみる(16) 各種エディタ

2024/07/08BASICMASTER, 昔のパソコン

BASICMASTERには標準でLevel2 BASICが搭載されていて、内蔵エディタでBASICプログラムを書くことはできる。このエディタは入力したBASIC文を中間言語に変換してしまうし、エラーがあれば入力時点で弾いてしまうので、他の言語のプログラムを書くのには向いていない。

MicroSoft系のBASIC、例えばFM-8用のF-BASICでは、REM文の短縮形である ' を使うことで、他の言語のプログラムを書くことにも使えた。例えば、I/O別冊「FM-8活用研究」に掲載されたKコンパイラや、ASCIIから発売されていたCOMSOLなどが、この手法を使っている。

しかしながら、BASICMASTERにはREMの省略形がない上に、画面幅が32文字しかないため、この手法は使えない。BASIC以外の言語を扱うには、なんらかのエディタが必要である。

日立製エディタ・アセンブラ

日立のアセンブラにはエディタも内蔵されていた。このエディタに慣れてしまったので、私はアセンブラ以外の言語を書くことにも使っていた。I/O別冊のベーシックマスター活用研究にダンプリストが掲載されている。


GAME言語のエディタ

月刊アスキーの1978年7月号から10月に掲載されたGAME言語付属のエディタ。BASIC同様に行番号が必要。

ASCII誌1980年6月号に掲載されたTL/1コンパイラが、GAME言語のエディタを流用している。TL/1は行番号不要であるため、コンパイラの入力ルーチンが行番号を削除して字句解析に渡している。

KUMAJIRIのRANPAKUエディタ

月刊I/O 1980年8月号 p.103 「6800用構造化言語 KUMAJIRIコンパイラに含まれているエディタ。H68/TR用だが、月刊I/O 1981年4月号 p.115 「KUMAJIRI/BM」のパッチを当てればBASICMASTERでも動く (けど、プログラムがBASICのワークエリアと被っているので他のアドレスに移した方が実用的)。

元のH68/TR版をベーシックマスターに移植し、アドレスを$1800に変更し、カセットSAVE/LOADを追加した版をgithubに置きました。I/O 1981年4月号の移植とは別物です。



microPASCAL68のエディタ

ASCII誌1980年12月号p.154 「microPASCAL 68」付属のエディタ。ベーシックマスターで使うには移植が必要。BMUGで移植した方がおられた。

コマンドはbit誌1979年1月号p.15の「プログラミングセミナー エディタへの挑戦 TSINKY」にて紹介されている和田エディタ(bit臨時増刊号「ミニコン」掲載)に似ている。流行りがあったのだろうか。

独立したエディタができたのはマトモなOSがあったから?

現在は、テキストを編集するときはお気に入りのエディタを使うのが当たり前だ。エディタを変更しても同じようにプログラムが書けて実行できるのはOSのおかげ。

私がエディタを使うようになったのは、CP/MやOS-9からだし、好きなエディタを選ぶようになったのはMS-DOS以降だ。今は vi をあらゆるOSで使っている。

モニタとBASICしかないベーシックマスターで、言語から独立したエディタが少ないのもそれが理由だろうか。vi欲しいなあ。
(標準ではコントロールキーもESCもないから難しいんだけどね。I/O別冊ベーシックマスター活用研究のFullKeyプログラムを使えば作れたりする?)

その他6800用エディタ

続く