名護市長選挙:なぜ NHK の当確が遅かったのか、考えてみる

沖縄, 選挙

昨日投開票された名護市長選挙。民放や新聞各社は投票締め切り直後に当確を出していたが、NHKはなかなか当確を出さなかった。21時半ごろにようやく当確が出たんだけど、なぜ遅れたのか考えてみた。

まず、投票締め切り直後の NHK ニュースではこう伝えている。

NHKが行った出口調査によりますと、移設計画に反対する現職が、推進を訴えた新人を引き離し優勢となっていますが、有権者の34%に当たるおよそ1万6000人は期日前投票を済ませていて、出口調査の対象にはなっていません。
沖縄 名護市長選 まもなく開票 NHKニュース

期日前投票の比率が非常に高い

琉球新報記事から。

当日有権者数は4万6582人、投票総数は3万5733人だった。このうち18日までに投票をすませた期日前投票者数は1万5835人(33.99%)、当日投票者数は1万9898人(42.72%)だった

名護市長選 投票率は76.71%、前回並み – 琉球新報

前回に比べて期日前投票が1600票ほど増えている。投票総数の5%ぐらい増えた。

当日有権者数は4万4896人(男2万2005人・女2万2891人)で、投票総数は3万4552票(有効投票3万4312票、無効投票240票、持ち帰りなど1票)。投票率は76・96%となり、前回2006年の74・98%と比べ1・98ポイント上がった。18日から23日までの期日前投票は有権者の31・72%に当たる1万4239人(男6867人・女7372人)が投票し、前回の9588人より4651人増えた。

名護市長選 稲嶺進氏が初当選 普天間の辺野古移設反対 – 琉球新報(2010年)

NHK出口調査では稲嶺氏が末松氏の倍ぐらいの投票率だった、という情報があるので、これも加味してグラフにしてみよう。
(投票総数を100%としています)

20140119-nago

この状態で稲嶺当確を打つには、期日前投票の少なくとも1/3ぐらいが稲嶺氏に投票している必要がある。一見低いハードルだけど、そうではない。

期日前に投票する層は?

期日前投票する層は組織票(業界団体、宗教団体など)が多いと言われている[要出典]。期日前投票のうち相当数は末松氏に投票したであろう、と容易に推測できる。

実際、今回の名護市長選挙開票状況(最終)では、稲嶺氏56%、末松氏44%の得票率であり、倍の差はついていない。当日投票で倍の差がついていたのであれば、期日前投票のざっと6割は末松氏に投票した計算になる。期日前投票の75%ほどが末松氏に投票していれば、結果は逆になっていたと計算できる。

20140119-nago2

期日前投票の割合をどう見込むかが、当確を打つ打たないの分岐点になったであろうと思われる。

公明票の動きが重要だった?

2014年1月8日琉球新報記事。

公明党県本は19日投開票の名護市長選で推薦依頼を受けた末松文信前自民党県議を応援せず、自主投票とする方針を7日までに固めた。同党関係者が明らかにした。

名護市長選 公明が自主投票 – 琉球新報

私の感覚では(地域によって重みは違うと思うけど)投票数の1割ちょいが公明票。かつては衆議院沖縄中選挙区5議席のうち1議席は公明党の指定席だった。今回の公明党の動きは選挙結果に大きな影響があったと思われる。

前回選挙では稲嶺氏は1600票差で勝ち、今回は4000票余の差をつけている。投票総数(35523票)の5%ほどが投票態度を変えたと思われる。公明票の大半は稲嶺氏に投票したのではなかろうか。

もし、公明票の大半が末松氏に投票されていれば、前回並みの僅差になっていただろう。
(元々公明票は革新票として計算されていたことを覚えてる人は少ないかも…)

追記:衆議院議員総選挙比例区開票結果/沖縄県” によると、2012年の名護市区の公明党の得票は5531票(19%)。この中には自民党との選挙協力票が含まれるはず。

NHKの当確はなぜ遅れたのか?

NHKが当確を出したタイミング(21時半ごろ)に何があったのか?
(以下は根拠の無い推測)
たぶん、期日前投票の伸びが7割まで行かないという根拠が得られたのだろう。開票所に行ったことのある人ならわかると思うが、選挙管理委員会の速報が出る前でも現地に詰めていれば、ある程度の票読みはできる。

21時からの開票作業で期日前投票分が先に開票され、22時選管発表の前に割合が分かれば、その時点で当確を打つことは可能だろうし、そうしたのだと私は考える。

20140119-nago4

民放や新聞各社はなぜ投票締め切り直後に当確を打てたのか?

(追記:以下、私の考察ミスじゃないかという指摘がありました。末尾に追記)

これは公明票の行き先をどう把握していたかの差だろう。
県内マスコミ関係者の話を聞くと、細かいところまで状況を把握していてびっくりすることがある。

たぶん、今回の選挙でも、独自調査により期日前投票の割合まで把握していたのだと思われる。この辺は、地元の強みだよね。

追記

録画してあったNHKのニュースを見直した。NHK当日出口調査の結果は稲嶺候補優勢だが、2倍の差は無いようにも見える。1.8倍ぐらいかな。この記事の大意には影響はないはず。

20140119-nago3

さらに追記

「調査能力の差じゃなくて、単に当確を打つ基準の差じゃないの?」という指摘を複数の方からいただきました。なるほどそうですね。
間違って当確打つケースもたまに見かけるし、NHKの方が厳しそう。なので、開票所の結果がわかるまで報道を延期してた、と。

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