マチグヮーの発音
NHK沖縄のローカル番組「きんくる」を見てたら、ウチナーグチの発音が気になった。
「マチグヮー」を「マチグワー」と発音している。すごく気になる。
NHK沖縄の表記がまずい?
先のブログ記事のタイトルも「マチグワー」になってて、これをアナウンサーが日本語読みしている感じ。
番組に出演するウチナーンチュは「マチグヮー」と発音していて、アナウンサーはそちらにも影響されてウチナーグチでもヤマトグチでもない奇妙な発音になってるから余計変に思えるのかもしれない。いっそ「マチガー」と発音してもらった方が良いような気もする。
日本語に存在しない発音のカタカナ表記
明治時代や敗戦後に外国語が大量に入ってきた時も、日本語に存在しない発音を試行錯誤しつつカタカナ化してきた。
外国語が外来語として国語化するについても、基本的にはこれらの音が用いられているが、さらに、外国語の原音に応じて、現代の和語や漢語にはない音が外来音として国語の中に取り入れられ、それに当たる特別の仮名表記が工夫されてきた。例えば、「フィルム」の「フィ」、「メロディー」の「ディ」のようなものである。また、長音については、和語や漢語の場合と異なり、長音符号「ー」を用いることがほぼ定着している。
「ファー」が「フアー」ではないように「グヮー」は1音節で発音する。したがって「グワー」ではない表記が必要だし、その必要に応じて作成されたのが「グヮー」表記なのだと思う。
ただし、上記文部科学省サイトには気になる記述がある。
4 「グァ」は、外来音グァに対応する仮名である。
〔例〕 グァテマラ(地) パラグァイ(地)
注1 一般的には、「グア」又は「ガ」と書くことができる。
〔例〕 グアテマラ(地) パラグアイ(地) ガテマラ(地)注2 「グァ」は、「グヮ」と書く慣用もある。
ウチナーンチュとしては「グァ」と「グヮ」は別発音だと思うのだがどうだろうか。
- 首里・那覇方言のかな表記について – 首里・那覇方言音声データベース
- CiNii 論文 – これからの琉球語に必要な表記法はどのようなものか(<特集>琉球語を見る/琉球語から見る)
- Wikipedia:沖縄方言の表記体系
表記は「マチグヮー」に収斂
那覇市のサイトはマチグヮー表記。最近の沖縄のサイトではマチグヮー表記に収斂しつつあると思う。
本市の観光資源であるマチグヮーの良さを活かした施設として再整備することを念頭に置いた基本計画とすることを求めています。
検索してみると「マチグワー」表記も結構ある。特に古い書籍や内地のサイト。
そもそもマチグヮーって言ってたっけ?
子供の頃は単に「イチバ」って言ってたような記憶がある。「マチ」は平和通りや国際通りも含むもっと広い範囲。住んでいた地域にもよるのかもしれない。
「マチに行く」というのがナーファンチュで、「那覇に行く」というのは那覇以外の人、なんて冗談もあった。スインチュは那覇に下る、とかね。
合拗音のgwaらしい
Cunliffeさんからはてなブックマークにて教示いただきました。
昔は日本語にも存在した合拗音らしいです。
合拗音とは「クヮ・グヮ」で表される音のことを指します。「ク-ワ」「グ-ワ」と2拍で発音するのではなく、[kwa] [gwa] と1拍で発音されます。
近世までの日本語では「カ・ガ」と「クヮ・グヮ」とは完全に別の音韻で、「カ・ガ」と発音されるか、「クヮ・グヮ」と発音されるかは、語によって決まっていました。
上記ページに使い分けがあり、確かに「学校」や「御願」に含まれる「ガ」は「グヮ」になります。
ディスカッション
コメント一覧
『マチヤーグヮー』は子供の頃からよく使ってましたけど、『マチグヮー』は使ったことないです
っても、意味が違いますね(・ω・)
40年前は
マチヤグァー
と言っていました。