高校生向け路線バス利用促進の実証実験について
2018年1月6日の琉球新報に以下の記事が掲載されていました。
那覇市松山にある那覇商業高校をモデルにして、バスを使ってもらうための実証実験を行うようです。正直な話、たった3ヶ月でどれぐらい効果がでるかは疑問ですが、普段バスを利用しない高校生への啓蒙活動としてはアリかな、と思います。効果を考えると新入学生を対象にした方が良いのですが、なぜこの時期なんだろう?
沖縄総合事務局は交通渋滞緩和のため、那覇市中心部に位置する那覇商業高をモデル校とし、9日から3月23日まで、路線バスの利用を促す実証実験を行う。渋滞エリアを避けた郊外に「通学バスライドポイント」を9カ所設け、自家用車での送迎を学校まででなく、通学バスライドポイントへと変更を促す。
那覇、浦添、豊見城の3市と南風原町の計9カ所のバス停付近を、通学バスライドポイントに指定。これらの地点で車から乗り換えてもらい、路線バスを「スクールバス」として活用してもらう。バス運賃は2割引きとし、100人ほどの生徒の利用を目標としている。
総合事務局からのプレスリリース
2017年12月22日に「高校生向け路線バス利用促進の実証実験について」というプレスリリースが出ていました。上記記事にある「通学バス運行情報サイト」についても書かれています。
バスライドポイント
上記資料にバスライドポイントが書かれています。識名園駐車場のところは道が細くて昔は大混雑していた記憶があるのだけど、今は大丈夫なのかな? 混雑している道路が余計に混雑することがなければ良いのですが。
この図によると、230円の運賃が190円に割引されるらしい。昔は学生向けの回数券があって25%割引されていたのに、それが無くなって実質値上げになったんだよね。それを複雑な仕組みで元に戻しているだけのような……
通学バス運行情報サイト
この資料の中にある「通学バス運行情報サイト」は、“通学バス運行情報サイト”のことでしょう。これ、バスナビに皮を被せただけのサイトですね。正直非常に使いづらいです。バスナビの使いづらさを表面だけ直すとこうなるという感じ。
試しに沖縄尚学高校を選んでみます。バス停がずらずら出てきます。兼ねてから懸案の同名バス停が多数あってわけわか問題は解決されていません。国場も真和志小学校前もたくさん出てくる。
近隣のバス停を適当にピックアップしたらしく、生徒の利用バス停の実態を反映していないのも困り者。長田二丁目のバス停を使う生徒をよく見かけますが、それは載っていません。
この時刻表は下校時に必要なものなのですが、なぜか学校に向かう方向のバス停まで載っている。例えば、真和志小学校前から寄宮中学校向けのバス停の時刻表って本当に必要? そのバスは沖尚前(沖縄大学前)に戻ってくるのだけど本当に学生が乗るの? (6番が混雑するので、わざわざ女子短大前まで行って沖縄大学向けに乗る学生は実在するけど……)
たぶん学校へのヒアリングとか現地調査とか一切していないんでしょうね。那覇高校も那覇高校前・県庁南口・松尾しか載っていないし。
さて、沖縄大学前(寄宮向け)を選択すると下記のように表示されます。見慣れたバスナビの使いづらい画面です。
上の画面がなぜ使いづらいか? 例えば、35・40・109番は並行路線です。沖縄大学前〜与儀〜開南〜那覇バスターミナルまで同じ経路を通ります。開南に行きたい学生はどのバスに乗ってもいいわけです。それなのに、バスナビのインターフェイスでは、それぞれのバスの位置をいちいちチェックしないといけません。各バスの到着予定時刻が一覧できないのは非常に不便です。こういう細かいところの気配りの無さが、バス利用者を減らしている一因でもあると思う。
追記: 2018年10月に新たな実証実験の募集があったので記事書きました。
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