日本の地下水が放射能汚染されているという誤情報(続き)

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ず’s » 日本の地下水が放射能汚染されているという誤情報」を書いた後、黄緑色の丸が施設と合ってない場所があることを教えてもらったので、再調査。どうやら wsj.com の記者が書き間違えた場所があるようだ。

問題の記事はRadiation Found in Plant Groundwater – WSJ.com

(奇妙な丸印があることは Twitterにて指摘いただきました)。

盛岡付近の謎の丸印


wsj.com掲載の地図の一部を引用。盛岡の北に丸があるけど、こんなところには原発はないよね。

これに気づいてからすぐに調査しようとしたのだが、なぜか wsj.com の地図がアクセスできなかった。まさか私の記事のおかげで wsj.comがアクセス過多になるわけもないし。サイトに何かあったのか、私の PC がおかしかったのか。

今日になってようやくアクセスできたので検証した結果を下に掲載します。

新潟の丸印が誤って盛岡に書かれている

まず、岩手県の盛岡近辺。

拡大して、黄緑丸をクリックすると……“Power Station-South, Niigata prefecture”…… Niigata prefecture???

もう一つは “Power Station-North, Niigata prefecture”。なぜか地図上の南北と名称の North/Southがひっくり返っている。


どうやらこれは、Realtime radiation data collected via the System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information(SPEEDI)にあるNiigataの表の Power Station-NorthとPower Station-Southのデータを間違えて岩手県に書いてしまったもののようだ。


日本語版のページ「新潟県 │ 関係道府県のモニタリングデータと防災情報 │ NNET」では観測地点が地図上で確認でき、それによると発電所北・南は 刈羽発電所のそばを通る北陸道付近で計測されているようだ。

なぜこの情報が岩手県に書かれているのかはさっぱりわからない。

新潟の地図からは 2箇所抜けている


では、wsj.com地図の新潟を見てみよう。地図上には9個の点が見える。それぞれの名前は下記の通りで、新潟県 │ 関係道府県のモニタリングデータと防災情報 │ NNET 及び Realtime radiation data collected via the System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information(SPEEDI)のデータと、発電所北・南を除いて完全に一致する。

このことからも、盛岡市北方の点は新潟県刈羽市のデータが誤って記載されていることが推測できる。


wsj.com 新潟県地図上の名称: 括弧内は私が補った。

  • Miyagawa Kashiwazaki City, Niigata prefecture(柏崎市 宮川)
  • Nishiyama Kashiwazaki City, Niigata prefectur(柏崎市西山)
  • Akadamachigata Kariwa Village, Niigata prefecture(刈羽村赤田町方)
  • Kariwa Kariwa Village, Niigata prefecture(刈羽村刈羽)
  • Simo-Takamachi Kariwa Village, Niigata prefecture(刈羽村下高町)
  • Arahama Kashiwazaki City, Niigata prefecture(柏崎市荒浜)
  • Katsuyama Kariwa village, Niigata prefecture(刈羽村勝山)
  • Doai Kashiwazaki City, Niigata prefecture(柏崎市土合)
  • Kashiwazaki kashiwazaki City, Niigata prefecture(柏崎市柏崎)

WSJ地図は佐賀にも誤りがある

 佐賀県にもおかしな点がありますね。“Kushi Genkai Town, Saga prefecture” は、玄海町 串のことだと思われますが、もっと海沿いにあります(参照:SPEEDI環境放射線モニタリングポスト・原子力関連施設マップ | 日本の原子力関連施設におけるSPEEDI環境放射線データと気象情報)。

測定地点は空間放射線量のモニタリング地点

他の県もざっと見てみましたが、原発・原発関連施設(研究所等)、横須賀基地(原子力艦船が寄航する場所)など、元々空間放射線量のモニタリングが行われている場所ばかりでした。

元情報を確認しよう

この記事で確認した通り、wsj.com記事の地図には信頼性が怪しい部分もありますので、モニタリング情報を参照するなら自治体や国が情報を提供しているサイトを見た方がいいと思います。そもそも wsj.com のデータは日本のモニタリング情報を元にしているので、わざわざ見に行く必要もないでしょうし。
(情報収集の際はなるべく元データを使う、情報源に近い自治体やメディアを参照するのが鉄則)。

また、原子力施設が所在する地方自治体は情報を提供している場合が多いので、“自治体名 放射線 モニタリング” 等で検索してみることをお勧めします。“沖縄県 放射線 モニタリング” だと 「沖縄県の環境放射能調査結果/沖縄県」が検索でき、そこから沖縄県内の4箇所の観測地点の情報を見ることができました。

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