電圧センサと確率共鳴

2015/03/22TWE-Lite, 気づき, 電子工作

TWE-Liteで作っている温度センサはほぼ完成。あとは気温の校正と風通しがよい適当なケース探しの作業が残っている。
ミニ百葉箱のようなケースや、網に入れて天井から吊るすかなど色々考えている。この考えている間が楽しい。

20150320-temperature-1

コイン電池の電圧

TWE-Liteはコイン電池でもかなりの時間動作するらしい。

コイン型電池(CR2032)で30秒毎に通信した場合10年以上の電池寿命となります。

超低消費電力IEEE802.15.4/ZigBee無線モジュール – TOCOS-WIRELESS.COM

接続している温度センサICも電力を喰うので、10年は持たないと思われる。
実際どれぐらい持つか知りたいので電池電圧も測ってグラフ化してみた。
幸いTWE-Liteで提供されている無線タグアプリは電源電圧を測定する機能が備わっている。

20150322-cr2032-1

当初は電圧が下がっているが、しばらくすると逆に電圧が上がっている。
これは二酸化マンガンリチウム電池が温度が上がると電圧が上がる特性があるためのようだ。

春らしくなって気温は上がる一方だから、放電による電圧降下が測れるようになるのはまだ先になりそうだ。

電圧変動がPWMっぽい

単三電池駆動の方も測ってみた。こちらは順調に電圧が低下している。

20150322-tan3-1

電圧は内蔵ADCで測定していて、1LSBは0.1Vほどになる。そのため0.1V単位の階段状に電圧が変化している。
しかしグラフからは階段状だけではなく中間の電圧も測れているようにも見える。

下図は時間軸を細かくして移動平均も加えたグラフ。

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大雑把には0.1Vの階段状だが、その間を移行する電圧変化がうっすらと見える。
まるで電圧変化がパルス幅変調(PWM)として出力されているかのようだ。

確率共鳴

この現象は電源電圧に加わっているノイズのせいで確率共鳴が起きているのだと思われる。
下記のPDFでは、ヒステリシスを持つような回路での確率共鳴ではPWM的な出力が得られるとしている。

20150322-sr-1

雑音のもとで動作する確率共鳴デバイス

電源に乗ったノイズとJN5164のADCのヒステリシスの存在により、PWMのような出力が見えているのだと思われる。

しかし、意外なところに確率共鳴が出てくるのが面白い。他にもこのような現象が簡単に観測できる系があるだろうか?