ベーシックマスターのハードウェア(14)富士通MB8861 に換装

BASICMASTER

黎明期の日本のマイコン雑誌では、8080対6800の論争も話題の一つであった。

当時、日本でもアメリカでもホビー分野のシェアトップは8080なのだが、2番手が違う。日本では6800、アメリカでは6502が人気であった。

日本の80系人気はZ80とPC-8001の登場でさらに強化され、MSXがさらに後押しした。

アメリカではApple/Commodoreの成功により6502の存在感が高い。任天堂のファミコンでも6502カスタムが使われた。

これは現在の趣味のプログラムにも影響を与えていて、githubに公開されているソフトウェアも6502,8080/Z80のものが圧倒的に多く、6800のものは数えるほどしかない。

8080の人気が高いのは、後継となったZ80の存在も大きい。8080とほぼソフトウェア互換でありながら、多数のレジスタ・命令が追加され、便利で高速であった。

CP/Mという共通基盤もあり、Z80は長らく使われた。Zilog社がZ80を生産停止したのは つい最近(2024年4月)である。

富士通MB8861

MC6800の場合は、後継CPUであるMC6809がソフトウェア互換でないのも痛かった。ソースコードは多少の書き換えで移行できたが、バイナリ互換がないと資産が使いづらい。開発環境の乏しい趣味の世界ではなおさら。

MC6803というバイナリ互換のある強化CPUもあったが、PCには6809が採用された。

MC6803は組み込み向けであり(メモリとI/Oを内臓)、PC向けではなかったのも影響しただろう。


しかし、実は日本には機能強化版6800が存在した。富士通MB8861である。ピンコンパチブルであり、MC6800と差し替えて使える。

(型番がBASICMASTER L2IIのMB-6881に似ていて、間違いやすい。困ったものだ)

富士通の技術誌 Fujitsu で、開発当時の状況が伺える(Fujitsu : 技術情報誌 27(5)(148) – 国立国会図書館デジタルコレクション)。

ベーシックマスターのCPUをMB8861に置き換えてみた

幸い、BASICMASTER JrはCPUは ICソケット経由で装着されていて、簡単に差し替えできる。ソケット実装はMB6880/6881/6885で共通である。

実装されているCPUを抜く時にピンを曲げそうになるが、慎重に作業。無事に置き換えできた。動作確認にはADX命令を使った(これは後で書きます)。

このCPUは ebay で売られていたものを購入。CPU自体は$20弱だが、送料がそれ以上にかかる。円安もあって結構な値段になった。

高校時代にもL2IIをMB6881化したのだが、そのころは2-3000円ぐらい(たぶん)。40年も経っても入手できるだけありがたいが、ずいぶん高く感じる。

コメント

  1. SMC888 より:

    書き込み失敗で、再度トライ。PFUのキーボードで書き込みしています。
    松下は、後に6301マシンも出していますね。
    関西人にとっては、松下=門真のイメージだったのですが、
    JRシリーズは神奈川の松下通信の製品でしたね。
    この後、6809は採用せず、Z80のMSXに移っていきましたが、開発部隊が違うのかな?

    • ず@沖縄 より:

      JR-100の頃にはソフトウェアの差が売れ行きの差になるのは明白だったので、MSXに行くのは必然のような気がします。6809も頑張ったんだけどねえ。

      門真は一度だけ打ち合わせで行った覚えがあります。もう何十年も前なのでうろ覚えですが。

      • SMC888 より:

        JR-100は結構見たのですが、それ以降は松下の地元でも、あまり見ませんでした。
        8ビットでは、MSX一筋で、最初から最後まで奮闘しましたね。
        日立もMSXに参入しましたが、68系と併売状態が続きました。迷っていたのでしょうか。
        S1は惜しかったですね。

  2. SMC888 より:

    なるほど。面白いですね。
    この文章もPFUのキーボードで打っていますが、歴史を聞いて、じっと見てしまいました。
    松下はJRシリーズを展開していましたが、JR-800では6301を使っていたようで、
    68系に熱心だったことが伺えますね。
    関西人にとって、松下と言えば門真なのですが、このシリーズを作っていたのでは松下通信で神奈川にあったのですね。遅ればせながら知りました。

  3. SMC888 より:

    ベーシックマスターL2やJrはCPU交換出来るように作られていたのですね。
    松下のJR-100は、6800相当のMN1800とカタログにありましたが、実際はMB8861だったようですね。81年11月登場の同時期のマシン同士ですが、松下はカタログから変更してMB8661を選択し、日立がMB8661を選択しなかった理由は、どこにあるのでしょうか。興味深いです。

    • ず@沖縄 より:

      日立も富士通も、モトローラのセカンドソースを受けてMC6800を作っていました。

      日立はH68/TRの頃から自社生産のHD46800を採用し、富士通もLKit-8では自社のMB8861を使っていたわけです。HD46800はMC6800互換です。

      松下は富士通と合弁でパナファコムを設立し、共同でコンピュータ開発をしていましたので、富士通MB8861互換のMN1800を使ったのでしょう。

      ちなみにパナファコムがユーザック電子工業と合併してできたのが、HHKキーボードでお馴染みのPFUです。

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