ベーシックマスターのハードウェア(7)DRAMの交換
注意: 以下の内容は「私がやってみたら たまたま動いた」という記事で、動作を保証するものではありません。
以前、ベーシックマスターのハードウェア(4)ROM/RAM切り替えとタイマー停止でも書いたが、BASICMASTER Jrは64KBまでRAM増設できるけど、増設の際には半田付けが必要となる。
ヤフオク等で売られている物のほとんどが16KB品なのをみると、多くの人は標準の16KBで使っていたようだ。
旧コン研さんのリストを見ると、純正の拡張メモリ(MP-9785)は1982年当時で3万円もするのである。Jr本体が89800円なので、本体価格の1/3である。
64Kbit DRAMが安くなったのは1983-4年ごろなので高いのは仕方がないではある。
ビット単価の安い16Kbit DRAMが使えると良かったのだが、基板面積を4倍喰うのが難点。L2IIでは16Kbit DRAM 16個で32KBまで拡張できたが、同じように64KBにするのは面積的に無理。
64Kbit DRAMを使うようにしたので、増設のためにはJP1,2,3の位置を半田付けで1-3に変更して、DRAMを差し直す必要がある。
(JP1,2はDRAMの奥側、JP3は金属シールド箱の左にある)

日立としては販売店対応だから半田付けで良しとしたのだろうが、素人にはハードルが高い。せめてジャンパーピンにしておけば64KBに拡張するユーザーはもっといただろうに。
使用できる64K DRAM
MB-6885 Jr.メモリ拡張 (1): 旧コン研によると、日立純正の拡張キット(MP-9785)は「HM4864-3」が8個入ってるらしい。
HM4864-3は64Kx1bitのDRAMでアクセスタイムが200ns、リフレッシュサイクルが128cyc/2msの4116リフレッシュコンパチブルなメモリICだ。
同じ64Kx1bit DRAMでも、256cyc/4msのは使えないし、16Kx4bitも使えないので注意。
Jr.の回路図を見ると、DRAMの1pinはVBB(-5V)に繋がっているので、1番ピンでREF制御をしているやつもダメだと思う。NCでないとまずい。
当時のICはHM4864も含めて入手困難なので、最新メモリIC規格表で互換品を探して、富士通MB8264A-15を使ってみた。無事使えた。

L2IIのメモリ拡張
BASIC MASTER L2II(MB-6881)は基盤上に16KB分の空きソケットがあり、16KB DRAMを8個買ってくれば簡単に増設できた。1980年ごろの16KB DRAMは8個8000円ほどで買えたので、L2II利用者の大半は増設していたはず。標準品はHM4716A-3(200ns、128cyc/2ms)。
ジャンク MB-6881 L2II の修復(2): 旧コン研の写真では富士通製らしきDRAMが刺さっていて、これはMB8118-12かな?
なお、初代MB-6880の場合は「RAMをソケットに差し込んでJ-3を1-4*から1-2に切り替えれば,できあがりです(*16Kから32Kへの場合)」とのこと(月刊I/O 1982年1月号 p.262 「ベーシックマスターL2で音声出力を!」より)。
RAM Tester
Aliexpressなどで売られている安RAMのチェック用に、Testerを買ってみた。送料入れても1万円いかないぐらい。BASICMASTERで使う4164, 4116はこれでチェックできる。4116はアダプタが必要。

交換して余ったDRAMの使い道
回路図によるとNECのμPD416C-2 か 日立HM4864-3 が刺さっている。私が交換した範囲では全てμPD416C-2であった。μPD416C-2は16Kx1bit(200ns)のDRAM。
PC-8001などZ80(4MHz)のPCはμPD416C-3(150ns)を使っているようで流用できない。
- Apple II/II-Plus/IIe 交換用チップの代替品 | Applefritter(4116 200ns以下ならOKらしい)
- MZ-80K2 (Sharp) | 古いハードに囲まれて since2011(LH4116-3 200ns、MZ-80K/1200も同様)
もちろんベーシックマスターL1/L2/L2IIの増設用には使えるが、ソケットに刺すだけなのでほとんどの人は増設済みではなかろうか。
資料
- MB-6885 Jr.メモリ拡張 (1): 旧コン研
- MB-6885 Jr.メモリ拡張 (2): 旧コン研
- 日立オプション一覧(5) MP-9600~9700 拡張ROM/RAM,周辺部品: 旧コン研
- Jr.(ジュニア) システムリスト: 旧コン研
- ジャンク MB-6881 L2II の修復(2): 旧コン研
- Ram Tester V3 from ReUseCircuit on Tindie
工具
はんだごて は下記を使っています。使いやすくて便利。PD対応のUSB-Cが必要。
はんだ、はんだ吸取線、はんだ吸取器は通販で買いました。近所には部品店がなくて不便。IC引き抜き器もあると楽です。








ディスカッション
コメント一覧
L2は、メモリ増設はソケットだったのに、何故、Jrになって変更になったのでしょうかね。実は、Aliexpressで探していたのですが、偽物があるんですね。くわばら、くわばら。RAM 1982年2月号にはRAM増設により63.5KBのクリーンコンピュータ化及びFLEXが可能となるとありました。夢が広がりますね。
Jr. もメモリはソケットです。この記事の 富士通MB8264A-15 が刺さっている写真を参考にしてください。これは若松通商( https://wakamatsu.biz/ )で買ったもので、まだ在庫があるようです。
DRAMの4116(16Kx1bit)と4164(64Kx1bit)は 差し替えて使えるのがメリットなので、Jrも4116/4164を採用したのでしょうね。
4116だけだと64KB実装では32個必要になって基盤を埋め尽くしてしまうので、差し替えにしたのは仕方ない判断だと思います。問題は非互換部分の変更を半田付けにしたことで、ここがジャンパーピンになっていれば苦労しなくて済んだのに、こういうところが日立だよなーと思います。
フロッピーを実際に繋いだ方はどれぐらいいらっしゃったんでしょうねえ。MP-3530が \298,000もしたので。ヤフオクでも見かけないですし。
いまさらフロッピーをつなぐ気はしないのですが、空いているPIAポートを使えば何か外部記憶装置が繋がるんじゃないかと思っています。
https://flexonsbd.blogspot.com/2022/06/sd6809.html では、MC6809+6821PIA経由でSDカードを読み書きする例が上がっていて、参考になりそう。
(OS/boot loaderがないので、そこをどうするかも問題になりますが)
64KBへの増設情報有難うございました。
80年代前半までの8ビット機のメモリ64KBは憧れでしたね。
しかし、基盤のDRAMを交換とは、当時としても、なかなかハードルが高いですね。
今回の記事を参考に、自分もやってみたいと思います。
64KB増設は半田付けに慣れていれば大変な作業ではないと思います。最近は使いやすいはんだごてが売られているので、昔に比べると楽でした(老眼がキツイですが)。工具を追記しておきました。
JP1,2,3はケーブルが硬くて作業しづらいので、完全に外してピンヘッダとジャンパーに置き換えた方がいいかもしれません。
実は64K DRAMの入手が一番面倒臭いです。AliexpressでHM4864-2を買ったら偽物でした。
若松通称 https://wakamatsu.biz/products/list?category_id=1701 に互換品の在庫があるようです。