「高校卒業程度の知識」の話

2011/12/28読み物

学力の程度を示すときに「高校卒業程度の知識」と書かれていることがあるんだけど、これっていったいどれぐらいのレベルなんだろうか?

そう思ったのは「キッズサイエンティスト」のヒッグス粒子の説明が難しすぎて挫折する人多数だったのを twitterにて見かけたこと。これでキッズは詐欺だよな (^_^;

どうやら人間には「自分にできることは簡単なことで、できないことは難しいこと」だと思う認知バイアスがあるようで、例えば「初段になるための将棋勉強法」には「誰でも初段になれる」なんて書いてあったりする。さすがにそれはないだろうと思う。(本自体は良い本です。お勧め)。



高校卒業程度ってどれぐらい?

原発事故以来、放射線関連でも「高校卒業程度の物理の知識があれば理解できる」という説明記事があったけど、それがめちゃくちゃ難しかったりする。たぶん、書いている側からすると基本的かつ当たり前の、高校時代に習った知識なんだろうけれども。

よくよく考えてみると「高校卒業程度」で想定している内容が人によって違いすぎるんだろうなあ。物理を例に取ると「高等学校学習指導要領」では理科は「理科基礎 or 理科総合A or 理科総合B」+「物理 or 化学 or 生物 or 地学」なので、物理は理科総合A・Bの範囲内の人も多いと思う。私の世代は物理Ⅱとかあったけど、今は違うんだよなー。

そして理科総合A・Bの内容は「NHK高校講座理科総合A・B」を見ればわかるけど、そんなに難しくない。放射線に関してのテレビ学習メモを見ればわかると思う。高校で習う範囲を100%理解しているとしても、期待できる知識はこれぐらいだと思う。

大学進学率から考える

さらに言えば、大学進学率が50%前後だし、(難関校を除けば)大学に合格するために必要な得点は60%程度なのを考えると、高校卒業程度の人が普通に理解している内容はかなり少ないんじゃないかと思う。大学卒であっても、自分の研究分野外は中学校レベルを100%理解しているぐらい、と考えた方が無難なんじゃないだろうか。

実際、私の英語力なんかは中学レベルすら怪しいもんなあ (^_^;

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Posted by ず@沖縄